診療内容
親知らずとは
親知らずとは18歳臼歯ともいい、永久歯が全て生え揃ったあとに前歯の中央から8本目に生える歯のことです。現代の人はあまり硬いもの噛まず顎が小さいため、親知らずが生えてくる顎のスペースがなくなることが多いようです。そのため横や斜めに生えてきたり、歯茎が被っていたりして細菌が溜まり、歯茎が腫れて痛みが出ることがあります。
親知らずが生え始める20歳前後の抜歯をおすすめします。特に女性の方は妊娠出産の時に痛みが出ても、すぐに抜歯できないこともあります。早めに親知らずを抜歯することによって、トラブルの原因を取り除きましょう。
ただ、親知らずは必ず抜かなくてはならない歯かというと、そうではありません。他の歯と同じように機能している場合は抜かないことがほとんどです。近年は親知らずがもともとない先天性欠如(せんてんせいけつじょ)の方も増えています。「生えかけの親知らずがこのままでいいのか心配」「親知らずがうまく生えてこない・なかなか生えてこない」という方は、まずは当院までご相談ください。
抜いた方がいい親知らずとは?
- 斜めに生えている
- 親知らずの手前の歯が健康で、親知らずが横や斜めに生えている人は早めの抜歯をおすすめします。
親知らずがまっすぐ生えていないと、周囲に細菌が溜まりやすくなります。そして手前の歯がむし歯や歯周病になることが多いのです。 - むし歯や歯周病になりかけている歯が周りにある
- 手前の歯の病状が進行した場合、手前の歯を抜歯するか、親知らずを抜歯するか、それとも両方の歯が使えるところまで使うかという選択が必要に。手前の歯が治療できる範囲のうちに抜歯することをおすすめします。
- 過去に歯並びを矯正したことがある
- 矯正治療経験者は親知らずによって歯並びが戻ってしまうことがあります。親知らずが残っていると、奥から前に生えてくる力がかかり、前歯の歯並びが悪くなってしまうのです。
年代別に見る親知らずの影響とリスク
30歳代〜40歳代の親知らず
- 曲がって生えていると歯周病のリスクが上がる
- 30代になると日本人の80%が歯周病にかかっていると言われています。親知らずが斜めや横に生えている場合は、親知らずと親知らずの前の歯との間に深い歯周ポケットができ、歯茎が腫れたり、口臭の原因になります。この年代に親知らずを抜歯すると、抜いた場所の骨が完全に回復せず、骨が下がってしまったり、歯周ポケットが残ってしまいます。
- 抜歯時、腫れや痛みが長引きやすい
- 横や斜めに生えている親知らずを抜歯する際、顎の骨を削ったり、歯を割って抜歯します。30歳以降になると骨や歯が固く、抜歯の際時間がかかってしまうために、痛みや腫れが長く残りやすくなります。また、骨や歯茎の回復にも時間がかかり傷口が完全にふさがるのに時間を要します。
50歳代以降の親知らず
- 全身のリスクが増える
- 50歳を過ぎると糖尿病や心臓病、高血圧など全身の疾患が出てきます。その場合、主治医に全身状態や投薬等の確認が必要となります。特に骨粗しょう症の薬を飲んでいる場合は薬を止めて3か月待たなくてはいけないこともあります。
- 抜歯が大掛かりになる
- 横や斜めの親知らずが歯周病になり、周りの骨を大きく溶かすことや、骨と歯がくっついてしまい骨ごと削り取らなくてはいけないこともあります。また、親知らずによって前の歯の歯周病が進行し2本共に抜歯が必要になることがあります。